第10回南のシナリオ大賞 二次審査通過作品
モノローグ
設定に捻りがあり、オチまで興味を持たせるように作品づくりがされている。自然な場面転換によって、セリフ運びが平板になりがちなところを補っている。
保湿・オブ・ザ・リビングデッド
オーディオドラマとして粗削りだが、パワーを感じる。話の展開は予想出来るが、セリフにキレがある、後味爽快な作品だ。
せんせい、あのね
「せんせい、あのね」というフレーズのリフレインと、それに続く言葉に少しずつ感情移入される手法が面白い。ただエンドへの伏線がもう少しあったほうがわかりやすい。
おやすみグッバイ
熊本の被災地の避難所で、寝たい人と寝むれない人の会話が様々な要素を織り交ぜつつ起承転結で展開している。「おやすみグッバイ」という微笑ましいエンドがいい。
青色の蝶
おとなの人生・恋愛ドラマを感じます。漂う不思議な虚無感。中年サラリーマンが、離婚・病気の苦労の苦しみから転勤先の熊本の電車の中で織りなす過去と現在。地震発生をうまく取り入れ、車内を舞う『青色(青春?)の蝶』にエンディングを委ねる。起承転結・15分以内・うまく書けています。
ウミネコの町から
アクティブな源じいの姿が今風でいい。音楽や、海、ウミネコの音が入ると広がりのあるドラマになるでしょう。ただし、もう一つ大きな事件、波乱が欲しかった。今のままでは明るく楽しいけど、さらっと流れるドラマで終わってしまうと思います。
響の街
高校生の時、変わりたい(今と違う自分)という願望がある。その瞬間を捉えた物語だ。さわやかな友情物語だ。ちょっと都合よすぎ気もするが? 響きあう教会の鐘と寺の鐘の音を混じり合わせる。それが、長崎かも知れない。
備えあれば憂いなくなる、お葬式
練習を通して一通りの手順はわかるが、なにか「へぇ~」という九州の習わしや情報があるとよかった。ラストの“一人になった以降の練習をしていない” という部分が作品のキモだと思う。
無隣音
マイペースな隣人、あまり関心を寄せないパパ、次第に精神的に追い詰められるママ、読む者をイラつかさせられる犬と幼い娘。それぞれのキャラクターがはっきりしていて、飽きさせない。
以上、9編(応募順)