壱岐神話朗読劇コンテスト 結果発表
最優秀賞 (金賞 20万円 副賞・壱岐の島へ2泊3日のご招待)
「壱岐のキイ」 吾妻康平 (福岡市東区)
優秀賞 (銀賞 10万円 副賞・壱岐の島へ2泊3日のご招待)
「伊予姫とヨカナヒコ」 古川 渉 (福岡県前原市)
佳作 (銅賞 5万円 副賞・壱岐の島へ2泊3日のご招待)
「約束」 朝霧けい (福岡県大野城市)
最終選考作品
「くにこ くにこ」 村瀬継弥(岐阜市)
「ハッピーブラザーズ」 佐竹喜信(東京都新宿区)
「鬼美人(きびじん)」 鱗 晶(大阪府池田市)
「雲海の凪」 志田健治(東京都墨田区)
「猿神の恋」 小鳥遊まり(東京都板橋区)
「草薙の犬」 冨永拓哉(埼玉県川越市)
「月と風の恋物語」 江口香奈子(福岡市中央区)
「ヒルコ様のいけにえ」 小林葉子(福岡県筑紫野市)
「猿日子涙雨奇談」 安富真帆(東京都大田区)
応募総数は68編でした。
最優秀賞「壱岐のキイ」 受賞者のことば
吾妻康平(福岡市東区)
勝手に取材旅行と洒落込み、夏のラッシュ期に、フェリーで壱岐へ向かってから、はや数ヶ月。旅は無駄ではなかったようです。
作品を書かせてくれた壱岐の風土と人々、そして作品を評価して下さった方々に感謝します。
優秀賞「伊予姫とヨカナヒコ」 受賞者のことば
古川 渉(福岡県前原市)
関係者の方々、ありがとうございました。
「ヨカナヒコ」とは、ワイルドの「サロメ」に出てくる預言者「ヨカナーン」から取りました。サロメが王に、ヨカナーンの生首を所望する場面が印象的で、これを核に、壱岐を舞台に何か書けないか想いを巡らし、あのような話になりました。
佳作「約束」 受賞者のことば
朝霧けい(福岡県大野城市)
神話伝説の島「壱岐」を思い浮かべた時、美しい自然に育まれたすばらしい人達が自然に作品に登場しました。
この度「佳作」を頂き、驚きと喜びでいっぱいです。心より感謝いたします。まだまだ未熟ではありますがこの賞を励みに書くことを続けて行きたいと思います。これまで支えてくださった「西日本新聞天神文化サークル放送シナリオ講座」の先生方、クラスの皆様に深くお礼を申しあげます。
壱岐神話朗読劇コンテスト 最終選考会
2008年9月22日、福岡市中央区天神エコールで行われました。
最終選考審査委員
舟越 節、盛多直隆、副島 直、皆田和行、香月 隆(以上5名、いずれも日本放送作家協会九州支部のドラマ委員です)
A: まず<総評>から。
B: 大きい流れで二つに分かれた。ひとつは神話に密着したもの。もうひとつが神話はあくまでモチーフとしたオリジナルもの。
C: 朗読劇ということをよく考えないで書かれたものも多かった。しかしみんな達者だ。
D: 全体的に思ったよりレベルが高かった。RPGのゲーム感覚で書いている人も目に付いた。しかしそれらは展開のテンポのよさに内容の人物がついていっていないものも多かった。
E: テーマやモチーフに普遍性のあるものを評価したいと思う。RPG感覚の作品も一気に読ませるパワァがあれば評価したい。
<朝霧けい「約束」>佳作
A: では入選3編の評を。まず佳作の朝霧さんの作品「約束」から。
C: ドラマが平凡だね。
D: 私は個人的にこの作者を知っているが、よくここまで伸びてきた。よくまとまっていると思うよ。私は高く評価したい。
E: 神話とリンクしていない。私は入って行けなかった。
D: しかし少年野球の世界をうまく描いているよ。
A: さわやかさがいい。壱岐弥生の遺品である人面石を取り入れたのはこの作品だけだった。
<古川 渉「伊予姫とヨカナヒコ」>優秀賞
A: つづいて古川さんの作品「伊予姫とヨカナヒコ」の評を。私は推すか推さないかで迷っている。
B: 命にそむいたというが、ヨカナヒコ一族を殺した理由は?
E: 私はこの作品を買いたい。セリフはステレオタイプだが荒削りの迫力が感じられた。
D: 伊予姫とヨカナヒコのかかわりが描かれていない。だが面白さはある。
A: 生首の登場にドラマの重さを感じる。ドラマじたてはよくできている。
D: 生首にキスをするというのもいい。
C: 私は評価がきわめて低い。退屈でしかたなかった。セリフが生きていない。
<吾妻康平「壱岐のキイ」最優秀賞>
A: では最後に最優秀賞。吾妻康平さんの「壱岐のキイ」
B: キイとスーのやりとりにテンポがあったね。
A: 面白い部分と荒削りの部分と、玉石混交の感じ。つたないセリフもあったけど?
E: 私は買いたい。ワクワク感がある。神話的なストーリーもいい。
A: 確かに。楽しいしオリジナリティがある。
D: 若いし、これからのびて欲しい。若さにエールでこれが最優秀賞?
E: 全体をふりかえって見ると3作のアンサンブルもいい。
入賞した3作品は2008年11月23日、長崎県壱岐市の文化ホールで福岡市の劇団によって朗読劇として上演され、上記3人の作者は2泊3日の壱岐の旅へ招待されました。