第2回 南のシナリオ大賞 結果発表

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南のシナリオ大賞「言霊のエール」(配信中)

第2回南のシナリオ大賞 結果発表

南のシナリオ大賞(副賞5万円)
「嵐のあとで」 四元貴子 (東京都板橋区)

福岡県知事賞(副賞 楯)
「波の合間で」 澤ざき久恵 (千葉市)

福岡市長賞(副賞 楯)
「海の子」 小山彩子 (茨城県守谷市)

佳作2編
「迷いの森」 永田恵美(熊本市)
「図画工作」 仮屋崎 耕(神奈川県藤沢市)

最終選考作品
「寄り道男」 坂東誠一(東京都練馬区)
「神様一生のお願い」 太田真理子(東京都板橋区)

一次選考通過作品
「お父さんの沖縄そば」 川崎清道(千葉県)
「鮎に生まれ変わった男」 上崎 収(福岡市)
「門司港の夕日」 水野和宣(東京都世田谷区)
「大切な人に逢える場所」 橋本麻希子(横浜市)
「恐竜たち」 高崎志乃(大分県臼杵市)
「もう一度プロポーズ」 鈴木昌子(東京都狛江市)
「コウノトリの休暇」 小松尚子(福岡市)
「隠し湯の三悪人」 古川 渉(福岡県前原市)
「青柳本舗健在なり」 黒岩寿子(福岡市)
「窓越しの空」 横葉紫彦(福岡市)
「二十五歳の再起」 利光隆一(神奈川県大和市)
「晴れのち雨」 八重瀬けい(福岡市)
「この街が好き人も好き」 吉永加津子(福岡県筑紫野市)
「傷跡」 猪原健太(京都市)
「博多駅のヨーコさん」 吾妻康平(福岡市)

応募総数:79編(2008年10月31日締め切り)

写真 第2回南のシナリオ大賞最終選考委員最終選考会
日時: 2008年11月11日、福岡市中央区天神の天神エコール。

最終選考の審査員: 舟越 節、盛多直隆、皆田和行、副島直、香月 隆。以上5名(日本放送作家協会九州支部 ドラマ委員会)

南のシナリオ大賞「嵐のあとで」 四元貴子

写真 南のシナリオ大賞 四元貴子氏受賞者のことば

四元貴子(東京都板橋区)
私は郷里を遠く離れた場所で就職をしたのですが、知らない土地で暮していると望郷の念と両親への想いが募るものです。私の母も同様に若い頃、鹿児島県枕崎市を出ました。今回はその気持ちを物語にしてみました。親子で一つの作品を作る機会を与えていただいて感謝しております。楽しい数え歌とイキイキとした方言を教えてくれたお母さん、ありがとう。

選評
:さおりの帰郷を心待ちにしていながら、面と向かっては一言も口にしなかった父の心情を、欠航待ちを心配して掛けて来た電話で知り感動するさおり。その父が幼少時に教えてくれた童歌が、幼い娘と老婆を結びつけるきっかけになった会話などが、ほのぼのとした暖かみを漂わせ、次第に心洗われてゆくさおりの姿を見事に描いている。

:仕事に追われた女が、親子の絆を取り戻すお話。あまり展開はないが、最後まで読んでしまう。それは、セリフの流れなのかもしれない。セリフの間に「数え唄」と「鹿児島弁」がいい具合に入ってくる。それが、この物語の大きな要素となっている。そして、ラストは、空港のアナウンスで、きっちり締めている。構成的には頭のいい作品だ。しかし、タイトルはひと工夫が必要だ。

:父と娘、娘とその娘(孫)、その娘(孫)とおばあ。それぞれが言葉を交えることによって結びつきを強くしていくところに惹かれた。雷の音や地元に伝わるわらべ唄が、オーディオドラマにマッチしている。わらべ唄ありきで構成されたのでしょうが、以上のことから最高点を与えた。いい素材は、足元にある。

:パターンどおりのストーリー展開ではあるが、鹿児島弁の使い方が効果的。舞台を空港ロビーに限定したことで、15分ドラマらしいコンパクトな構成でまとまっている。

:人物の設定やドラマ運びに特段新しいものはない。しかしドラマの盛り上がりが美しい方言で構築されており、これには絶句した。観念的に「方言は美しい」と述べることはたやすい。しかしそれを美しく使ってみせることは難しい。この作品はその至芸を見事に演じた。

福岡県知事賞「波の合間で」 澤ざき久恵

写真 福岡県知事賞 澤ざき久恵氏受賞者のことば

澤ざき久恵(千葉市)
二年前に波照間島を旅行し、その時感じた島での時間の流れ方、広がるさとうきび畑などを思いながら書きました。若く、日々精いっぱいの琴乃、過去に捕らわれて、かたくなになっている雪絵、地に足をつけ、なお伸び伸びとしている康雄と、それぞれのキャラクターが描けていればと思います。

選評
:この作品の欠点は時間の経過が判然としない事であろう。希望を持って弟子入りして来た琴乃が、雪絵に失望する迄の設定に、今一つ要素が欠けていると思う。

:とにかく、セリフがいいし、テンポがいい。そして、読んでて分かりやすい。読んでて分かりやすいということは、裏返せば、先が読めるということになる。作曲家のおばあさんにももっとキャラを付けて欲しい。ストーリー展開も、もっと起伏が欲しい。物足らないものを感じてしまう。しかしながら、作者独自の世界感はあることから、次回の作品を読みたいし、期待したい。

:縦軸に太さ、強さを感じられない。今回の作曲家志望の娘さんがこれまでの志望者とどこがどう違ったのだろう? 先生が彼女を引き留めるために港へ行ったのは何があったからだろう? 読後に不満が残った。ただ、全編を通して透明なたおやかな風が吹き渡った作品だった。

:登場人物の個性を活かしきっていない。都合良く人物を動かし、ストーリーを流しただけで、共感を生まない。音楽家の話なので、音楽や効果音など音の表現にオーディオドラマならではの工夫が欲しかった。

:音楽家の話なのにいっさい音楽が使われない。人物の書き込みが足りない。ドラマに転をもたらすサトウキビ畑のシーンが軽い、などなどの不満はあるが、削り込んだセリフの深みは絶品だった。もう一歩、ドラマの構築に踏み込んでいたらと悔やまれる。

福岡市長賞「海の子」 小山彩子

写真 福岡市長賞 小山彩子氏受賞者のことば

小山彩子(茨城県守谷市)
九州・沖縄を舞台に考えたとき、ぱっと頭に浮かんだのが沖縄の島と海でした。オーディオドラマということで耳から聞こえる沖縄を書きたい、そう思いたちました。実際に行ったことはないのですが、私のイメージの中にあるやさしい島の海と島の人たちの力強さがこの作品を生み出したのだと思います。最後にこの作品選んでいただいたことに感謝いたします。

選評
:この作品の主人公は、6歳になる島袋海斗君。海の好きな男の子である。東京を離れる時、海斗は云う。石垣の海のように東京の海も綺麗にするんだと。人間の我儘で失ったものを、人間の努力で取り戻そうと主張する作者の姿勢が良い。

:海と会話する子供と、その母親の話だ。海と会話する子供が登場する割には、ストーリーの運びは淡々としている。それが、この物語の特徴かもしれない。しかし、子供と母親の気持ちの流れが、よく分からない部分がある。なぜ、海が見える場所から都会に行き、再び海が見える場所に帰るのか? 人の感情の流れをもう少し見せてほしかった。

:発想がとてもいい。現実にはいないだろうが、いて欲しい、あって欲しい人間である。対比となる都会(東京)での暮らしぶりが足りない。海辺での何気ない暮らしと、都会での何気ない暮らしに、実は大きく深い隔たりがあることをしっかり伝えて欲しかった。この少年の未来を知りたくなった。

:少年の人物造形に、作者のオリジナルな視点が感じられる。
母親の不安がどこからくるのか、具体的な事象が省かれているのでストーリーが一方通行になっている。東京で過ごす1ヶ月間のドラマに母親の心理的な葛藤が欲しかった。

:説明不足で不満だらけ。たどたどしい表現ですぐ壊れそうな作品。だがうちに秘められた詩神が作者ならではのものだった。これからもあまりドラマ作法に上達しないでほしい。そんなものよりもっとたいせつなものがオリジナリティーなのだから。

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