第3回 南のシナリオ大賞 結果発表

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南のシナリオ大賞「言霊のエール」(配信中)

第3回南のシナリオ大賞 結果発表

南のシナリオ大賞 (副賞 各3万円) 2編受賞のため賞金を分割贈呈
「ぼくはマジメに生きている」 本田明子 (福岡県春日市)
「正次がいたから」 大橋秀樹 (東京都世田谷区)

福岡県知事賞 (副賞 楯)
「耳の暇」 横葉紫彦 (福岡市中央区)

福岡市長賞 (副賞 楯)
「はるみとサイタの夜の童話」 小林葉子 (福岡県筑紫野市)

佳作3編
「時のかけら」 朝霧けい (福岡県大野城市)
「出会い頭の、ご縁です」 江口香奈子 (福岡市中央区)
「ワラビンチャーの冒険」 大森淑貴 (神奈川県横浜市)

一次選考通過作品
「黄金の卵・川の巻」 森川茉乃 (大阪市)
「心臓の遺言」 小鳥遊まり (東京都板橋区)
「やんばるロード奇譚」 鵜飼広計 (さいたま市)
「親子の風景画」 西元慎哉 (東京都杉並区)
「いちゃりばちょーでー」 平山梨華 (東京都世田谷区)
「夏の蝶」 荒木弘子 (福岡市西区)
「四十九日の家族」 泉沢かをる (福岡市早良区)
「エジプシャン・ロック」 井芹伸之 (熊本市)
「水の坂道」 時乃真帆 (東京都大田区)
「ウルトラマリン」 鶴巻琢磨 (東京都荒川区)
「おかんのゆりかご」 山崎雅悟 (東京都足立区)

応募総数:90編(内規定外 1編)

社団法人日本放送作家協会創立50周年記念事業
文化庁「九州・沖縄から文化力プロジェクト」参加事業
後援:福岡県、福岡市、西日本新聞社
主催:日本放送作家協会九州支部

写真 第3回南のシナリオ大賞最終選考委員 左より、盛多、副島、香月、皆田最終審査会
日時: 2009年10月10日、福岡市中央区天神の天神エコール。

選考委員: 盛多直隆、皆田和行、副島直、香月隆 (日本放送作家協会九州支部ドラマ委員会)

審査の詳細はこちら > 南のシナリオ大賞 最終審査会ドキュメント

第3回南のシナリオ大賞 表彰式

第3回南のシナリオ大賞 表彰式集合写真 去る11月29日午後2時より、福岡市文学館(通称・赤煉瓦館)において、第3回南のシナリオ大賞表彰式を開催いたしました。

写真 第3回南のシナリオ大賞 受賞者のみなさん

表彰式出席者(敬称略)
本田明子(南のシナリオ大賞)
大橋秀樹(南のシナリオ大賞)
横葉紫彦(福岡県知事賞)
小林葉子(福岡市長賞)
朝霧けい(佳作)
江口香奈子(佳作)

九州支部会員出席者(敬称略)
津川洋二
盛多直隆
皆田和行
副島直
斉藤博明
吾妻康平
香月 隆

※ 大森淑貴氏(佳作)は欠席。

写真 シナリオ大賞受賞の本田明子氏(左)と大橋秀樹氏(右)
シナリオ大賞受賞の本田明子氏(左)と大橋秀樹氏(右)

写真 県知事賞受賞の横葉紫彦氏(左)と市長賞受賞の小林葉子氏(右)
県知事賞受賞の横葉紫彦氏(左)と市長賞受賞の小林葉子氏(右)

写真 司会進行役の津川洋二氏(放作協九州支部)司会進行役は、放作協九州支部の津川洋二氏。
受賞者は東京からの大橋秀樹氏も加え8名が参加。
主催者側からは支部会員7名が出席し、表彰式のあと、審査委員の講評会と、受賞者と支部会員との間の熱を帯びたトークが展開されました。
表彰式のあとは近くのグランチャイナで3時間半にわたって懇親会を行ないました。
なお表彰式の記事が11月30日西日本新聞朝刊に掲載されました。

南のシナリオ大賞 「ぼくはマジメに生きている」 本田明子

写真 南のシナリオ大賞 本田明子氏受賞者のことば

本田明子(福岡県春日市)
構想段階ではなかなかストーリーがまとまらず、随分悩ましい想いをしました。それがこんなにありがたい賞をいただけることになるとは。最後までがんばって本当に良かったです。
不十分な点も多々あったかと思いますが、寛大な評価をくださった審査員の先生方に心より感謝いたします。

「ぼくはマジメに生きている」 あらすじ
吉岡は仕事に身が入らず、上司にイヤミを言われる日々が続いていた。一方元同僚・大野はお好み焼き屋を開き、イキイキと働いている。吉岡は冴えない自分を憂い、落ち込む。
そんななか、吉岡がかけた営業電話がなぜか天国へつながってしまう。人事と名乗る女は吉岡に、天国でも成果主義が導入されたこと、優秀な魂には生き返りが認められたこと、そのために魂の腐った不真面目人間の体が利用されることを説明する。そして吉岡こそ、肉体提供の適任者であると断言。絶体絶命の吉岡。
そのとき、落ち込んだ吉岡を心配した大野から携帯に電話が入る。吉岡は大野と話すうち、この友達の存在こそ、自分の魂が腐っていない証拠だと気づき、天国の人事を追い払うことに成功する。命拾いした吉岡は、仕事に対して熱心に取り組むようになる。

選評
開口一番「これ面白かったですね!」と顔を綻ばせた審査員がいた。
業績不振で将来の展望もない駄目サラリーマンは、疲弊しきった現代社会の縮図。誰もが共感できる主人公だと思う。派遣切りなど話題のネガティヴ・キーワードを散りばめつつ、一縷の望みを友情で証明してしまう、その大胆な発想は軽妙なコメディだからこそ最高に生きている。
奇抜なアイディアとリズミカルに並べられた台詞の可笑しさ。ラストへ向けて伏線が収束してゆく構成の妙味。ライトな笑いをふりまきつつ、明日へ生きる力を与えてくれる。明るく元気の出るラジオドラマに、審査員全員が無条件で票を投じた。

南のシナリオ大賞 「正次がいたから」 大橋秀樹

写真 南のシナリオ大賞 大橋秀樹氏受賞者のことば

大橋秀樹(東京都世田谷区)
東京で暮らしていると、郷里の筑後弁を使うことなど殆どありません。執筆の間、作品とは関係のない田舎の思い出が浮かびました。何度も。…言葉の力、方言の強さって凄いなと感じました。ラジオドラマは初めてです。うまく表現できたか不安でしたが、自分の大好きな“書くこと”で賞を頂けたのはこの上のない幸せです。ありがとうございました。

「正次がいたから」 あらすじ
福岡県筑後地方。江口弓子(38)は本家の長女。年明けの親戚一同の正月参りを控えている。正月支度を手伝おうと、親戚とは一足早く、妹の水沢薫(36)と水沢明(37)、そして息子の水沢正次(3)がやって来る。
江口忠雄(41)は、弓子と結婚して江口家の婿養子となったが、未だに子供がいない。そのことに対して、舅に申し訳ないと思う忠雄は、正次が羨ましい。弓子と薫を比べる忠雄。
正次を置いて、忠雄と薫夫妻が出かける。正次に「臭い」と言われる弓子。弓子は「薫に子供が出来て、私に出来ん。薫はべっぴん、私は臭い。何ね?これ。…あんたがおるけん!あんたのせいたい!」と、正次を叩く。
忘れ物に戻った忠雄がその手を止める。無言で諌めるだけの忠雄。
正月参りも終わり、薫ら家族が帰って行く。いつもの二人っきりの弓子と忠雄の生活。…忠雄が弓子に酒を勧める。それは今までに無かったこと。…弓子はすすり泣く。

選評
今回の選考会で最大の収穫が「正次がいたから」だった。
新しさはまったくない。子宝に恵まれない姉と息子(正次)を授かった妹、二組の夫婦を淡々と描いた地味な物語だが、読んでいて切なくて、切なくて胸が締めつけられた。普段の日常会話だけで、15枚という限られた時間のなかで、これだけの効果が出せるものなのか。そのあまりの巧さに、某審査員は「ムカつく」という下品な言葉で嫉妬した。
ヒット作が一発出れば右へ倣いで似たような番組が濫造されるドラマ業界で、この作者の、ドラマへの取り組み方は貴重だ。器用なだけのライターなら業界にゴロゴロしている。甘く口当たりの良いスイーツばかり食べていたのでは身体がおかしくなってしまう。この作品を評価できないようでは「南のシナリオ大賞」の未来は暗い。大賞を2本出すのか? 選考会は逡巡したが、ひたすら粘って異例の2編受賞で決着した。

福岡県知事賞 「耳の暇」 横葉紫彦

写真 福岡県知事賞 横葉紫彦氏受賞者のことば

横葉紫彦(福岡市中央区)
入賞の連絡を受け久々の自分ごとの喜びを噛みしめています。女の中でうごめく理性で抑えても動きだす「小さな悪」を嫁で、女を超越した「偉大なる善」を姑で表現してみたかった。
うまく書けたかわかりませんが選んで頂けたことで少し安心しました。審査員の先生方ありがとうございました。

「耳の暇」 あらすじ
小田夏美(52歳)は更年期障害で心身のバランスを壊し、自分自身の闇から抜け出せないでいた。子供たちは社会に飛び立ち、夫は単身赴任。姑の勝江(83歳)が朝の散歩で見つけてくる落し物を迷惑げに交番に届けていた。新しく交番に赴任してきた島崎慎吾(24歳)は明るい好青年で、勝江の拾得物を気持よく受け入れる。夏美は島崎の前で嫌味を言うかと思えば、勝江が散歩中に自転車事故を起こした相手の若者を怒鳴りあげる。気持ちはいつも揺らいでいた。
友人の坂上祐子(52歳)から勝江が貰った神様からのご褒美が自分であることを知らされた夏美は、自己嫌悪に落ち激しく空き缶を潰しまくる。その時パタリと音が止った。天使が通りすぎたのか……夏美は声をあげて泣いた。
数日後、夏美は姑との散歩中に自分が見つけた拾得物を交番に届ける。

選評
姑と嫁の物語である。この手の話はどうしても、ありがちな物語になってしまうきらいがある。しかも、姑と嫁の対立構図で成り立っているため、姑と嫁のいさかいの話だと思ってしまう。しかし、それを救っているのが、各登場人物のキャラクターだ。それが、物語にインパクトを与え、起伏のある展開になっている。
どんなものも拾って届ける交番に届ける姑。苛立つと空き缶をつぶす嫁。姑から落し物を届けられるとぼけた感じの警官。ありそうでなさそうな3人のキャラ設定が物語を面白く展開させている。
通常、キャラを際立させると、どうしてもマンガチックになってしまい浮世離れしたものになってしまうが、老い、痴呆症、更年期障害などの現実の問題点も取り上げ、リアリティのある物語にもなっている。
まだまだ、細かな点で修正する点はあるものの、キャラ設定で暗くなりがちな姑と嫁の物語に新しい展開を見せてくれた。

福岡市長賞 「はるみとサイタの夜の童話」 小林葉子

写真 福岡市長賞 小林葉子氏受賞者のことば

小林葉子(福岡県筑紫野市)
このたびは、もったいない賞をいただき、ありがとうございます。このお話は、考えた、というよりは、夢で見たエピソードを元にしています。素敵な夢がみれて本当によかったです。サイタの物語は本編があるので、いつか形にして出せたらいいなあって思っています。ご指導いただいた先生方に、心からの感謝を捧げます。

「はるみとサイタの夜の童話」 あらすじ
会杜員の進藤は、白血病を患う盲目の娘はるみに、いつも「サイタと夜の童話」という物語を読んで聞かせてやっている。聞かせてあげるたびにはるみの容態は良くなっていったが、もう残り話数が少なくなってしまった。作者の所在地を探し、続きを請いに行く進藤だったが、作者はすでに死んでいた。
進藤は途中まで出来上がった原稿を借りて帰り、物語の続きを自ら創作して、はるみに聞かせてあげるのだった。

選評
読んでいて引き込まれてしまいました。O・ヘンリーの「最後の一葉」がバックストーリーだとはわかっていても、そのエピゴーネンではない作者のみの詩の世界があってそれがわたしの心をとらえました。
「死と親子愛」という観念的なテーマがリアリティ豊かな室内管弦楽になって読むものの心を優しく癒してくれます。「親子愛と再生」が日本人的な肉感となって作品を支えています。最後は悲劇で終わると予感していたのですが、あざやかに再生を描いた秀作となりました。作者のポエジーにひそかな拍手を送ります。

第3回南のシナリオ大賞 高校生の部

南のシナリオ大賞
「沖縄の友」 南川智美(千葉県国府台女子学院高等部)

福岡県知事賞
「私の望んだもの」 西南学院高等学校放送部(福岡市)

「沖縄の友」 あらすじ
上原朝子は中学の修学旅行で沖縄にきている。二日目の班行動で四人組のうち仲の良い二人が体調不良で欠席という大波乱。宮城加奈という物静な子と二人きりになり焦るが、加奈に言われるがままバスにのって海にきた。誰もいない砂浜で朝子は意外な加奈の過去を知る。加奈の告白に朝子は驚くが、自身の体験を話しているうちに加奈とうち解けていくのだった。

「私の望んだもの」 あらすじ
思うとおりにならない今の世界がいやで、もっと別の世界が欲しいと思っていた主人公のゆかり。あるとき謎の女からあなたの思うとおりの世界へご案内しましょうと誘われる。さてその世界に行ってみると何もかも自分に優しいのだ。はじめ、ゆかりは大満足。しかしなんでも願いがかなうその世界にも不満を感じるようになる。結局彼女は元の世界へ戻ってきたのだった。そこはやはり生き生きとした世界だった……。

第3回南のシナリオ大賞受賞作品(ドラマとシナリオ)の
インターネット公開は終了しました。

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