第12回 南のシナリオ大賞 一次審査通過作品

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第13回南のシナリオ大賞原稿募集

第12回南のシナリオ大賞 一次審査通過作品

一次審査員の寸評(応募順)

父の足跡を辿って
父親が遺した小説を手に、息子が小説の舞台や人物を探し歩く物語。少しずつ真相に近づいていくという構成は、読者を引き付けるものがある。しかし、場面転換が多いのでラジオというよりテレビ向きの題材に思える。足音や食事をする音は、よほど特徴的なものでない限りSEにはならない。これで場面転換を伝えるのは無理があると思う。ラジオドラマでは、SEもセリフ並に大事な役割を果たすので工夫が欲しいところである。

ブルーナ・アース
今年の異常気象を思わせる緊迫したシーンから始まるので、物語に引き込む力がある。
内容は、異常気象が更に悪化した近未来で、防災シェルターを作る人々の話。シェルターに逃げ込んだ人たちが風邪をひいた子どもが入るのを拒否する場面など、現実的な問題として考えさせられる。着眼点が面白いと思う。SEも分かりやすく効果的。ただ、物語の最後で急にSFへと路線が変わる。ここで審査員の意見が分かれるかもしれない。

言霊のエール
長崎のペーロン大会に出場できなかった中学生と、出場する留学生との交流の物語。
思春期にありがちな、妬みやひがみからくるイジワル。そんな心の闇と、そこから抜けた瞬間の変化を短時間でよくまとめていると思う。日本語と中国語の言葉をキーワードとして使っているのも効果的だった。

宣告
ラストの大ドンデンに向かってゆくストーリー。ラジオドラマとしてシンプルながらよくまとまっていると思います。

漂流日記
展開はすごく面白く、意外性もあり、構成もマル。ただ、如何せん台詞回しに少々難が…
それだけに本当に惜しいです。少々リライトしたら良い物語になる予感。

ポインセチアの贈物
単純でベタでどこかで聞いたことがあるような内容なのだけど、グッときます。まず、文章が上手。無駄がないし。惜しむらくは最後のオチ。AIならではのオチさえあれば、超高得点だったのに…残念。

空と海の間で
ウミガメが上陸する(はずの)鹿児島の小さな町の1日、そこに垣間見える人間模様。凄い展開があるでもなく、驚きのドンデンがあるわけでもないのだが、ほっこりしてしまう。とりあえずラジオドラマとして完成品が聞いてみたい。そう思わせる内容でした。

化粧破り
なかなかシュールな物語。でも面白い。ストーリーもシンプル。
ちょっとオチが悲しいけれど…

正義のカステラ
カステラとちゃんぽんが世界征服を企んで戦う! 突っ込みどころ満載でありながら、楽しい笑いを誘う作品。台詞が利いているのも良い。

けむりの丘
窯の跡継ぎの話。ありがちなストーリー。期待を抱かせるラストシーンは良いと思いました。

ガラッパとやっせんぼのお嬢ちゃん
自殺願望の女と妖怪の話。重そうなテーマでありながら、女と妖怪の台詞のテンポが良く、妖怪の嘘が女を救うことになるのもリズム感のある台詞の掛け合いの中で違和感を感じない。そしてお決まりのハッピーエンドへと続く。

ホモ・サピエンスの道
火星に旅立つ娘と父親の話。台詞はドキュメンタリーのよう。人類の歴史や宇宙に関心のある人には面白く感じられると思います。

ご縁びより
男女三人の恋愛関係のよくあるストーリー。最後、作家の台詞が良い。このセリフを引き立てる工夫をされるとさらにより良い作品になると思いました。

午後四時五十八分の悲劇
何よりも主人公のキャラクターが際立った作品。アナログ世代の主人公が憤り、行動するパワーが何よりも強烈で、一気に最後まで連れていかれてしまった。体当たり的な作品だが、IT一辺倒の今の社会について、一考させられる内容でもある。

小さな十字架
乳がん、若い頃の不倫体験、SNSを通して昔の恋人との再会。40代女性の主人公の姿が痛々しい。しかし、こういう展開になってしまうのは、実際に現代女性の生きづらさ(ジェンダー)が根底にあるのかもしれない。主人公のモノローグや病気の説明が多すぎるのが気になった。

リュウグウノアナタ
愛する人を失っても、想いを消すことなく、たくましく生き抜いてきた主人公の強さと孤独がよく表現されている。主人公が夫を思い続ける気持ちが胸に迫ってくる。深海魚の使い方にも不自然さはなく、神秘的な素材として生かされている。

スリープスタンド
眠れずに悩んでいる人がいれば、眠れないことを利用している人もいる。人間世界の大前提をポツンと考えさせられるよう。マスターのナレーションやセリフ、そしてストーリー自体も陰と陽の対比が絶妙で面白い。こんなスリープスタンドがあったら行ってみたい。

橋に願いを
「コイン落とし」に1982年の大水害。長崎の眼鏡橋というロケーションが最大限に生かされた物語です。謎の少女との出会いと別れを経て主人公の抱えた問題が全て解決するわけではないですが、間違いなく彼は一歩前に進みました。これぞドラマにおける「変化」。作者の確かな技術を感じます。

SWEET TRAIN.迷走中
父と娘が感情をぶつけ合い互いの人生を理解する物語ですが話題の「ななつ星」のような周遊列車の車内という舞台設定が振るっていました。ビュッフェやミニコンサートといった小道具が楽しげな雰囲気を良く醸し出しています。休日の午後に聴きたい小洒落た一品。

ロイ2018
家事ロボットがその有能さゆえに持ち主夫妻の不和を招き、それに気付いた彼は初期化を受け入れて凡庸なロボットになってしまいました。斬新なプロットです。流行のAI(人工知能)ものですがAIの新奇性頼みではなく地に足の着いた人間ドラマが成立しています。今後のAIものの進むべき方向を示しているかも。

坂道、歩いてくれますか
長崎の街の眺望と海風が伝わってくるような爽やかな作品でした。長期入院中のヒロインが意中の人と接近するチャンスを思いがけず得、彼は実際とてもいい人なのですが……彼の優しく美しい励ましの言葉が残酷に突き刺さってきてしまう悲しさ。だけど置かれた場所で戦おうと決意を新たにするヒロイン。彼女の見つめる坂道がその時その時の心情に合わせ色を変えて目に浮かびます。

水面の向う
兄は大学進学を控えているが、幼い頃に自分の不注意で怪我をさせ車椅子生活の弟が気がかりで家を離れることに迷いが生じます。葛藤も変化も小幅で物足りなさはありますが高校生の兄弟がぶつけ合う熱くストレートなセリフが魅力的でした。

ロイヤル仮面
本作には主人公の葛藤が明確に描かれている。
主人公の時代に逆行する信念や他の登場人物との対立関係など、いくつもの要素が絡み合って次第に主人公の葛藤を浮き彫りにしていく構成にドラマの本質を感じた。

ちゃんぽんガール
ちゃんぽんが大好きな女子高生が主人公のコメディタッチな作品。
友達との関係よりもちゃんぽんが大事というキャラ設定は面白いが、話が全体的に麺料理に寄りすぎている気もする。
素材と人間ドラマのバランスはもう少し考える必要性を感じる。

ひとはな咲かす
新幹線で主人公の隣に偶然座った男性が高校時代の恩師であることに気付くまでの展開にセンスを感じる。
他にも細かい工夫が随所に散りばめられており、読み手を飽きさせない作品に仕上がっている。

ほんの15分のこと
オーディオドラマの魅力、対話が楽しめた。ストーリーの展開にも工夫があり、会話の進展も自然で無理がない。

ピン! ポン!
新婦の結婚スピーチにたつ新郎の元彼女の真意は祝意か、嫉みか。主人公の真意が曖昧。設定と台詞を吟味すれば、スピーチ時の心情にもっと迫れます。

赤、最南の果てに
世界を平和に。希求する元OLが選んだ新しい職場は、巨大ゴキブリがたむろする最前線だった。大義名分と現実のギャップにユニークな視点がひかる。害虫駆除の現場を裏付ける技術や道具、薬剤など具体的な記述がもっとほしい。

ボケっと部
ボケっと部という部活に入ろうとする主人公の決断に共感。

「まほろば」から愛を叫ぶ
死に直面した二分間に人間の本性が出るところが面白い

スイート・ホーム
読後感がいい。

初恋ベーカリー
後半、悲しい過去を忘れさせるようなメロンパンの香りがした。

猫とクリームソーダと17の夏
面白い! デジタルネイチャーな価値観が当たり前になっている未来人たちをテーマにした、切り口がキャッチーなSFストーリー。デジタライズされた未来人が、愛や猫やクリームソーダなど、平凡なものに心を揺らすところは温度感があり、読み終えた時にホッとできる。

力ん限り
最終審査まで残って欲しい作品。高千穂を舞台にした神聖で不思議な空気感が、主人公の人生背景と無理なくリンクしている。物語の世界観が良いだけに、タイトルが勿体無い。例えばよみがえりくらいの洗練されたインパクトがあると、完璧だったかと、、、

結婚相談ならコクコン!
まさかのオチ。今という女性の社会問題をモチーフにした、キャッチーで、残酷で、シュールな作品。賛否が分かれるとは思うが、かなりエッジが効いていて印象的。

あの鐘を鳴らせ
結婚したい娘と再婚したい父親が、同じ婚活パーティに参加して婚活作戦を行う様子が面白い。

誰よりも働かない女
発想の逆転、働き方の面で現代を風刺しているのが小気味よい。

12の言の葉
夫婦の絆とか互いを思いやる心情と、ラストが切ない。

石垣島サンセットホテル本日営業最終日
タイトル通りなのだが、その当日の台風・停電などのアクシデントに屈しない従業員の姿が爽やかである。

三日後、午後三時
パワハラで自殺を決意した男を説得する未来の我が子。切なくて何処か可笑しい世界観を醸し出している。

刑事そば子
そばと刑事と強盗をうまくミックスし、まるで劇画を思わせるようなスピーディーな展開で最後まで飽きさせない。

僕と彼と、とある物語
登場人物の設定がユニーク。セリフの応酬で聞き手を想像の世界へと引き込みオーディオドラマの醍醐味を感じる。

以上、42編

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