「私は財布」福岡県立筑紫高等学校

日本放送作家協会九州支部

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おっきーのラジドラ学園

2017年07月11日放送

「私は財布」
福岡県立筑紫高等学校

Ｈ28年度＃38九州高校放送コンテスト出場

内容紹介
ドラマに登場する主人公は、依那（イイナ）という女の子と、彼女の財布です。イイナは自分の財布が気に入っていました。しかしその財布はもう流行遅れの財布だったのです。財布は自分の流行遅れの姿を恥じていました。ある日、財布は、ふとしたことで江戸時代にタイムスリップします。そこで見た風景は、繁盛している古着屋や、古い紙を回収している人の姿でした。古い財布は、江戸時代の日本人が古い物を大切にすることを知ったのでした。財布は現代に戻り、持ち主のイイナのもとへ帰ります。イイナは、古いけどやっぱり私の財布が一番いいと喜んだのでした。

日本放送作家協会九州支部香月隆先生の講評
日本放送作家協会九州支部香月隆イラストこのドラマは、流行に流され、いつも新しい物を追い続ける人たちへの忠告として作られました。流行に自分の心も流されないように・・・というのがドラマのメッセージなのです。企画意図の中に、江戸時代はリサイクルの技術が発達していたとありますが、いいかたをかえれば、江戸時代の日本人は「もったいない」という考え方を持っていたということではないでしょうか。それが古い物を再利用する行為に発展して行ったのだと思います。よくいわれることですが、日本語のもったいないということばは、英語にはありません。強いて訳せばwasteful(ウエイストフル)となります。これは「不経済な」という意味です。英語風にいうと、イイナが古い自分の財布を捨てたくないのは、不経済だからということになります。ほんとは、そうではありませんね。イイナは古い財布に愛着があるから、捨てない。捨てたらもったいないから捨てないのです。我々日本人には、もったいないから捨てないという、物に対する愛があります。
きょうの作品、テーマはいいドラマでしたが、若干、分かりにくかったかな。登場人物、風景などをもう少し詳しく説明すると、もっとわかりやすくなり、ドラマのテーマが理解されやすくなったと思います。ラジオ作品の一番大切なことは、誰にでも分かる作り方をすることです。①にも②にも、わかりやすく作ること。きょうはこれを覚えておいてください。