第12回 南のシナリオ大賞 審査会ドキュメント

日本放送作家協会 九州支部

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第12回南のシナリオ大賞 最終選考会

(5) 「言霊のエール」
(4) 「僕と彼と、とある物語」
(3) 「午後四時五十八分の悲劇」
(2) 「漂流日記」
(1) 「宣告」
(1) 「リュウグウノアナタ」
(1) 「化粧破り」
(1) 「ボケっと部」
(0) 「12の言の葉」
(0) 「ほんの十五分のこと」
(0) 「ロイ2018」

()内の数字は審査員投票数

「12の言の葉」

副島:死んだ奥さんの言葉を12個録音しておいて、それを(状況にあわせて)再生して、まだ生きているように見せかけている、という話です。

第11回南のシナリオ大賞_審査員_松尾恭子

松尾:音だけでは分からないから、奥さんがいないってことが(展開のなかで)分かっていくのがすごく面白かった。オーディオドラマらしいと思いました。

香月:話は良いんだけど、ダラダラしていて緊張感がない。セリフの完成度がいまいち。このイントロ、ラジオじゃ分からないよ。

副島:ファーストシーンが老人ホームだってこと、(聞いている人には)分からんでしょう。シーンの作り方がテレビドラマなんですよ。映像があってはじめて伝わる作りのセリフです。ラジオドラマとしてのセリフじゃない。

盛多:老後の方向性ってこれでいいのかな? 死んだ奥さんの録音と会話しながら生きていくという、このへんのパターンがあんまり好きじゃない。

皆田:なんで孫娘は「嫌だ」って言い出したの?

副島:いきなり「もう死んだの」って。そういうことを(孫娘が)なぜ躊躇なく言えるのか。それに対しておじいさんが「あいつは毎日俺のところへ来てたんだ」って過去形で喋っている。過去形になるのはおかしいでしょう。

皆田:さっきまで、ここに奥さんが居るものだと思って話しかけていたのにね。

盛多:そう思い込ませていないと、この話は成立しない。

副島:12番目の言葉で「好きだった」っていう告白の部分、なんでそのときまで誰も(録音されていたことに)気づかなかったのか? ラストシーンも、主人公が分かっていて話しかけているのか、それとも本当に認知症になってしまったのか、曖昧なままで終わってる。

皆田:独創性がない、ボケネタって難しいな。

「ほんの十五分のこと」

盛多:鹿児島行き最終のバス乗り場に居合わせた、男ふたりの話。

皆田:これ、2ページ目くらいでオチが分かった。

松尾:家に電話してるときから、もう……

盛多:結(ケツ)が見えちゃってる。

副島:まあ、伏線なんでしょうけど。

盛多:伏線になってないよ、もうバレちゃってる。

副島:無ければ無いで、そんな偶然あるもんかって、なっちゃうでしょう。

盛多:最初っからバレちゃってるのは、どうも。

香月:設定の説明が最初にあるんだけど、それがドラマになっていない。

盛多:男がお姉さんの婚約者には見えないんですよ。この男が婚約者なんだってピンとこない。納得できるようなキャラに作られていない。

皆田:応援したくなるような男じゃないですもんね。

副島:関西弁だし、金持っていないし、飛行機代がないから夜行バスで行くってような男に、身内と結婚させたくないわ!

盛多:やたら関西弁が強調されてるし。

香月:それもヤクザみたいな口調で喋ってる。

副島:登場人物に魅力がないんですよ。

香月:やっぱりドラマは、登場人物に魅力がないとね。

皆田:良い話だとは思ったんだけど。この作品をオッケーにするには、どうしたらいいんでしょう。

香月:基本的にはお勉強して欲しいですね、ドラマの書き方を。

「ロイ2018」

副島:毎年、ロボットもの、アンドロイドものが(最終選考に)1本入ってきますね。

香月:ドラマの脚本は読み始めたらサッと惹き込まれなきゃいけないんだけど、これは書き出しがえらいゴチャゴチャしてる。

副島:重量が150kgって書いてあるけど、どんな形してるのか想像がつかないんですよ。機械の音がいっぱいして、でもセリフは普通の優しい口調で。

盛多:最初に奥さんの味方するわけじゃないですか、次に旦那の味方する、で、再起動したときの終わりのセリフというのは、子供に味方するってことなの? どう捉えていいか分からないんだけど。

松尾:家族のなんたらかんたら……

副島:なにをやりたかったのか分からんのよ。

香月:アンドロイドの優しさを描きたかったんだろうけど、でも十分に描ききれていない。

皆田:これ、(九州に関する言葉が)蜂楽饅頭しかなかったですね。地名が入ってなかった。(※)

※ 作品の最初に地名「折尾」が入っていると、作者よりご連絡いただきました。告知するとともに作者にお詫び致します。(2018年11月6日)

「宣告」

盛多:ベテラン工員にリストラの宣告をした男が、最後は奥さんに癌の宣告をすることになるという……これって、この終わりでいいのかな?

香月:職場ものの定番って感じで深くは買っていないんだけど、ただセリフは良かったですね。

副島:セリフ良かったかなあ? 実際にサラリーマンやったことない人が、テレビドラマから持ってきて書いたような、浮世離れしたセリフに思えたんだけど。

盛多:セリフでいちばん気になったのは、奥さんが癌を罹って、もしかしたら余命何ヶ月ってことなのに、それを「辛い宣告をする」って言う? もっと身近なところで、もっと奥さんに寄り添ったセリフが出てくるかと期待して読んでたのに。自分の奥さんに辛い宣告をするって言っちゃう。それって何なの?

副島:会社の話と家庭の話と2本立てにして、そのバランスがとれてない。奥さんとの話だけに絞ってやっていたら……まあ、あまりにも(ストーリーが)平凡すぎてて、どうでもいいです。

皆田:これ、いつの時代の話だろうって気がしました。一昔前だったら人を馘にするって話も、奥さんに癌を告げるって話も、アリだったろうけど。いまは景気が良い時代で。リストラって、いまの時代にどうなんだろう。

香月:仮にそういう時代だったとしても、ドラマの構成がちょっと定番ではありますね。大腸の影ってあるのかな?

副島:ポリープって書いてありますね。

香月:これ(大腸)は影を撮るんじゃなくて、チューブ入れて目視で診るんですよ(内視鏡検査)。医学的におかしいんじゃない?

「漂流日記」

盛多:漂流郵便局って本当にあるんですよ、四国に。

松尾:あるある、テレビで見たことある。

盛多:その実際にある漂流郵便局と、ドラマの漂流郵便局のコンセプトがまったく一緒なんです。

皆田:パクっちゃった?

副島:実際にあるやつをネタに、お話を作ったってことでしょう?

盛多:ドラマでオリジナルに漂流郵便局を作ったのならいいんだけど、実際にあるものとまったく一緒っていうのは問題あります。

松尾:あっちゃいけないんですか?

香月:ドラマではなくノンフィクションになってくる。ノンフィクションとしてならいいと思うんだけど。

盛多:実際にある漂流郵便局をそのままドラマでやるというのは、ちょっときつい。

香月:そこは話が分かれるところだと思う。このままでいいのかどうか、疑問には思ってたんだけど。

皆田:植木鉢が割れているって話が出てくるんだけど、あれ何ですか?

松尾:植木鉢は謎でしたよね、どこから出てきたんだろうって。植木鉢が割れているって、頭を殴られたんかいなって。

皆田:後にも先にもそこにしか出てこないし。

副島:横領、自殺っていう、サスペンスミステリ要素っていらなかったんじゃないのかな。年上の女性上司が年下の部下に片想いするっていう、切ない話にしたら良かったのに。濡れ衣着せられて殺されたっていうのは、どうも……

皆田:凄い話ですよね。

香月:その部分がドラマのフィクションになってるのね。

皆田:話としては良い話じゃないですか。だから早くそこに持っていきたい、その話を早く書きたい、聞かせたいって。展開を急いでる感じがしました。

第11回南のシナリオ大賞_審査員_皆田和行

「ボケっと部」

盛多:こんな会話するんですよ、高校生って。

香月:ぼくの孫たちも部活やってるけど、こんな感じで喋ってます。

盛多:なんかこんな感じなんですよ。

副島:頑張らない青春ものって流行ってるんですよね。「けいおん!」とか、ゆるーいやつが。
ただ、圧力とか、流れに呑まれて苦しい経験をした挙げ句のボケっと部でしょ? その苦しさとか辛さというのが、まぁ、ベタであったらあったで嫌だけど、そういうのがまったく感じられなかった。100メートルで全中1位になるくらいだから、すごく苦しい練習があったんだろうと思うんだけど、そういうのを一切見せない。それがいまの流行りなんだろうけど。

盛多:地球儀の話がよく分からなかった。ロシアとソビエト連邦の……その地球儀の下に、昔の三者面談とかの書類があったってことですよね?

皆田:地球儀を重しにして、隠していた。

盛多:だから先生が手伝おうってことになって……

皆田:見つかっちゃったって……ただ、なんで見つかったらまずいのだろうかって。なんでって、疑問に思うところがけっこうありました。

香月:もう少しうまく書けていれば、すごく面白くなっていたと思う。セリフも確かに現代の高校生の喋ってる会話だし。ただ、テンポが出てない。

皆田:もっとセリフできちっとやりとりすれば分かりやすいのに、一人でダラダラと喋ってる。改良の余地はいっぱいあるなとは思った。

盛多:そのへんのところ改良されていれば、面白くなったと思う。

皆田:ただ、青春時代の話で面白いなってことで(票を入れました)。

盛多:次を期待したいですね。

「化粧破り」

皆田:これ、(作者は)女の人なんですかね、ノーメイクというのがけっこうポイントだったんですけど。
最初っから登場人物の名前(漢字の表記)が違ってたりする。誤字もあるし、のっけから、えっ! みたいな。

香月:句読点が出鱈目なんです。

皆田:そうなんですよ、句読点を知ってるのかって言いたくなるくらいに。

香月:はじめは関東弁みたいな感じで、あとで関西弁になっているんですよ。最初に「違ぇねえ」みたいなセリフがあって、あとで「よぉ言わんわ」みたいな。

皆田:でも、構成はしっかりしているし、面白いなって思ったんです。

盛多:相手が死んでいるという話の持っていきかたでは、「12の言の葉」よりも仕上がりはいいなとは思いましたけどね。

「リュウグウノアナタ」

盛多:あと残っているのは?

副島:「リュウグウノアナタ」に1票はいってます。

盛多:これも死んだ人が出てくるんですよね。

皆田:これの回想って、音で分かるのかな?

副島:回想の入り方がヘタクソなんですよ。(ト書きに)深海の音とか書いてある。回想があって、死んだ旦那さんとの深海の幻想的なシーンがあって、それに病院のカットバックが入ってくる。ヘタと言うより、これはもう……(絶句)。

香月:リュウグウノツカイは、実際に見たことあるし、いろんな伝説があるので、ぼくはリュウグウノツカイを使うのは好きなんだけど。リュウグウノツカイって言葉が出たら(その姿が)ぱーっと目に浮かんでくる。

盛多:長ぁーいやつですね。

副島:そのリュウグウノツカイを説明するくだりも、説明セリフが長ぁーいんですよ。

香月:肉を食べると八百年生きるっていう。

盛多:それ、聞いたことある。

香月:食べたことあるけど、生きなかったですね。

盛多:生きてるじゃないですか。まだ分んないっすよ。

第12回南のシナリオ大賞_審査員_盛多直隆

「午後四時五十八分の悲劇」

皆田:新作落語かと思いました。

副島:ほとんど一人芝居ですもんね。

松尾:キャラクターがすごく強烈でしたね。

皆田:誰にやられたんだ、ウイルスにやられた、って。

副島:そのオチが素晴らしい。作者にキャラクターがちゃんと出来ているからセリフに勢いが出てくる。

盛多:セリフの勢いが凄いというのは分かった。

副島:それだけですけどね。これで現代の文明批判みたいなのに持っていかないところが良いんですよ。

盛多:けっこう好きな作品でしたね。家電の故障で電話したら、だいたいこういうことなんですよ。いつまでも(対応のオペレーターが)出ない。繋がらないんです。そうそうって頷く人が多いような気がする。

皆田:ぼく7月にパソコン壊れたんですよ、本当に。それでこれはもう寿命だって言うんで、ハードディスクだけ外して新しいパソコン買ったんですけど……(審査と関係ない話なので略)……だから、気持ちはすごく分かるんですけど。

香月:みんな経験していることばかりだからね。

副島:この脚本が凄いなって思ったのは、警官が出てきた後に(主人公は)怪我しているんですが、それを一切見せていないんですよ。で、(家に)着いてから血だらけになっているのに気づく。

松尾:主人公のドン臭さが可笑しい。

副島:電話をたらい回しにされるとか、1とシャープを押してくださいっていうの連チャンでくるとうんざりするんだけど、その出し方も、ものすごく計算されてるなって。

盛多:そこ2回は無いなって思った。誰しも経験したことはあるので、2回やるのはちょっと辛いかなあって。

香月:真ん中あたりのSEに映像が出てくるシーンがあるんですが、あれは再現がちょっと難しい。

盛多:皆田さんが票を入れていない理由は? これは落語でドラマになっていないぞ、ということ?

皆田:面白いとは思うんだけど。南のシナリオ大賞がそれでいいのかな、って。

香月:皆田さんの意見に賛成するんだけど。つまり、もし仮にこれを南のシナリオ大賞で制作した場合、絶対に批判を受けると思う。

副島:そんなことないですよ、喝采じゃないですか。

皆田:面白いとは思いますよ。だから番外編で作って、こんな楽しいのもありましたよって。

香月:ぼくもその程度って感じ。出来は非常に良いんだけど、内容的に飛躍してる部分が全然ないじゃないですか、如何にもありそうなことばっかりで。1回だけだと面白いけど、2回3回聞けるかってことね。

副島:私はリピートしますよ、テンポよく作ってあれば。

香月:副島さんはずいぶん変わっていると思う。普通の人は1回聞いたら2回3回は聞きたくないんじゃない。

副島:落語と同じです。同じ話を何回聞いても、面白いものは面白い。

香月:落語家が演ると面白いかも知れないね。

副島:イッセー尾形とか、こういったタイプの一人芝居ですよ。

盛多:「あんた誰にやられたとね?」「ウイルスにやられた」って、これでオチるのかな? 読んでるぶんには可笑しかったんだけど。

香月:最後のオチは、ドラマで聞いたら全然おもしろくないと思う。

副島:いや、面白いと思います。

香月:副島さんが作りませんか、番外編として。

副島:作ってもいいけど……おれ演ろうかな、島田勘一。(人物表に)短気って書いてある。アテ書きみたいにピッタリだな。

「僕と彼と、とある物語」

盛多:候補作のなかではいちばん好きな作品。めっちゃ魅力的でした。

副島:音階の説明と、それに沿った謎解きのストーリーね。

盛多:この人間関係をラジオドラマで(作ったときに聞く人が)分かってくれるのかなって気はしましたが。

副島:けっこう先にいくまで、探偵と助手っていう関係が分からない。

皆田:そうなんです、登場人物に探偵と助手って書いてなければ、探偵というのは分からなかった。

副島:探偵と助手っていうキャラクターでなければならない理由はあるのかな。この設定、役名っていうのは要るのかな。

香月:それはドラマだから、面白くするためにそうしたんですよ。謎の解き方が「名探偵コナン」みたいで、ちょっと定番ではあるんだけど。

盛多:ラジオドラマ作るときに、登場人物がふたりとも男だってのは嫌だな。

松尾:助手を女性にしたらダメなんですか?

盛多:タイトルが「僕と彼と」になってる。

松尾:そうか。でも、いまは中性的な男性もいるから、ほら、りゅうちぇるみたいな。

皆田:面白いし才能あるとは思うけど。これ(九州の)地名ってありました?

盛多:長崎。

松尾:長崎の「崎」と……

盛多:九州の「州」で、州崎(スザキ)。

皆田:それでオッケーですか?

副島:アクロバティックだよね。

盛多:この話って全体がアクロバティックなんですよ、実を言うと。
「シュウ」って呼ぶ人物が3人いて、その理由もちゃんと書いてあるんですが、これがきちんと落とせるかどうか。ササキアキトがなんでシュウなの? 「秋」かよって。

皆田:片仮名って頭に入りにくい、ぜんぜん分からなかったもんな。

盛多:疑問に残ったのは、この助手って誰だろうって。教室の中で見てるってセリフがいくつかあって、こいつ誰なのって。

香月:まあ、問題点はあるけど、好きな作品ではあります。作るのは非常に難しい。ピアノが上手い人を用意しなきゃいけないし。15分ドラマへの挑戦だね。

松尾:テーマがすごく面白かった。他にないでしょう、このテイスト。

香月:むかし川崎洋が楽器が喋るドラマを書いたことあって、それを思い出した。

副島:作るならラストのピアノ曲はオリジナルで綺麗に締めたいよね。

「言霊のエール」

盛多:「言霊のエール」は、もう何も言うことがない。審査員全員が票をいれている。

香月:私はこれをいちばんに推している。爽やかで、綺麗で、可愛い。破綻もあまりないです。

松尾:よく出来てましたよね。今風のテーマで、いじめ問題とか海外留学生との交流もあって。

副島:最初からペーロン大会の音を聞かせている。これが良いんです。こういうドラマなんだよ、こういう場所を舞台にしているんですって一発で分かる。

盛多:確かに。(その効果を作者は)知ってますよね。技術は高いです。
副島さんは二重丸つけている。副島さんが(コンクールの投票で)二重丸つけるって(これまで)ありました?

副島:嫌悪感がなく、あざとくなくて良い。普通に感動する良作です。タイトルは「の」を外して「言霊エール」のほうがスッキリしていいと思った。

盛多:皆田さんは(評価が)三角なんだけど。

皆田:中国人けっこう喋れるじゃない。日本語が喋れなくて友だちもいないって設定になってるけど、主人公の女の子とはけっこう喋ってる。
ぼくは、これと「ボケっと部」の青春もので、どっちかかなって感じだったけど。

盛多:ここまでの流れでみると、「言霊のエール」が大賞で、あとの2本が佳作ということになりますが。

松尾:いいと思います。

副島:かなりバラエティに富んでいますね、この3本。

盛多:今回、最終に残った11本は九州支部会員のみなさんに選んでもらったんですけど、多面性があって、バラエティに富んでいたように思います。

副島:老人の認知症を扱ったのが数本あって、それがどうも引っかかった。

香月:それは時代の流れですよ。ただ、みんな踏み込みが足りない。

盛多:それでは、この3本で決定ということで。作者を公表したいと思いますが……

第12回南のシナリオ大賞_審査員_香月隆

香月:ちょっと待ってください。「午後四時五十八分の悲劇」が入ってる?

「午後四時五十八分の悲劇」 PART II

盛多:香月さんは「午後四時五十八分の悲劇」は外してもいいんじゃないかって、そういうことですか。

香月:そうです。

皆田:面白いですよ。

香月:確かに面白いけど、3回4回聞けるかっていうことです。これの面白いところは、後半の頭ぶつけたりするところから面白くなっているのね。その前までは当たり前の、普通のことばっかりなんですよ。頭ぶつけるあたりから作者の才能が出てきてる。

副島:たぶん計算だと思うんです、あそこから動きをいれたというのは。前半は室内劇で、クライマックスに向けて派手なアクションが入ってくる。

香月:バッテリー切れで電話をかけられなくなるんだけど。いまは携帯用のバッテリーがあるじゃないですか、それ使ってるけどね、みんな。

松尾:(バッテリーが)もうちょっとしか残ってないところが、この主人公のドン臭さなんですよ。

香月:そういう言い訳をしなきゃいけないでしょ。この主人公はそういう半分ダメな男ですって。それをアタマにふればいいんだけど、ふってないもんね。

副島:いや、ありますよ。(冒頭の)奥さんが出ていくあたりから、こいつは絶対面白い奴だって分かる。

香月:ぼくはあまり買わないけどなあ……あとどれを入れるかというと、他に入れるものないですもんね。

盛多:そうですね。

香月:ぼくは渋々賛成です。

盛多:では、「言霊のエール」を大賞として、「僕と彼と、とある物語」を佳作1、「午後四時五十八分の悲劇」を佳作2とします。

内輪なエピローグ

副島:佳作じゃなくて入選作(*)じゃなかったっけ? 佳作という言葉を永田(事務局長:永田昭治)さんが嫌って。

香月:去年から入選(*)になったでしょ。

盛多:あとで確認しておきます。そう言っときながら……

松尾:永田さん出て来ないんだもの。

盛多:審査に参加するよう永田さんにお願いしたら、長い文章は読めないって。

松尾:最終審査には、いちばん読み易いのが残ってるのにね。

皆田:読み聞かせしてあげないといけない。

盛多:昨日、(審査会出席の確認で)副島さんに電話したら、電源が入ってませんって。3回くらい電源が入ってませんって。

副島:申し訳ない、そういう半分ダメな男です。

* 正しくは「優秀賞」でした。

2018年9月30日、福岡市中央区赤坂
審査委員:盛多直隆皆田和行副島 直香月 隆
実行委員:松尾恭子

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