おっきーのラジドラ学園
2015年06月02日放送
「彩花」
広島県立広島井口高等学校
#57H22N杯全国コンクール ラジオドラマ部門 優良賞
内容紹介
学校の弓道部がインターハイに出場することになり、選手の名前が書かれた横断幕が道路沿いに掲げられた。ところが弓道部選手の夢野真希(ゆめのまき)の名前が赤字で書かれていた。真希は男子である。男子の名は緑で書かなければならないのに、教頭が間違って、真希の名を赤で書くよう指示したらしい。真希はむくれて大いに騒いだ。やむなく弓道部の部長、柳彩花(やなぎ・あやか)の発案で、部員たちが真希の名前を緑のペンキで塗りなおすことにした。しかし脚立が倒れるなど、横断幕の塗り直しは大変な作業だった。翌朝、真希は反省して彩花に謝った。すると彩花から意外な答えが返ってきた。柳彩花(ヤナギアヤカ)の本当の名は「ユ・チェファ」だったのだ。つまり彼女は在日韓国4世だった。彼女はみんなに「ユ・チェファ」と呼んでもらいたかったのだが、やむなくヤナギアヤカで通していた。そのことが彼女を苦しめることもあった。真希が女の子と間違えられることの悩みを一番理解していたのは彩花だったのだ。そして何年かたった。彩花は希望通り学校の先生となった。生徒たちから慕われていた。生徒たちは彼女をこう呼んでいた。「チェファ先生!」
日本放送作家協会九州支部 香月隆先生の講評差別という大きな問題をあつかった作品なのに、インターハイの横断幕という身近な話題からドラマを起こすなど、鮮やかなドラマつくりでした。作品全体に学生らしい若々しい感性がちりばめられていて、好感度抜群でした。
とにかく台本が素晴らしい。シナリオの完成度も抜群です。ドラマはどんな大きなテーマを扱っても、日常性と細やかな描写を忘れてはいけません。差別問題など大きな社会問題をドラマにすると、どうしてもメッセージ性ばかりが浮き上がりやすいです。しかし今日のドラマは見事に大きなメッセージを料理しきっています。ドラマは半熟料理でなく、見事な完熟作品にしあがっていました。大きな社会的テーマは、具体的な日常の暮らしの中で誰にでもわかるような優しい描写で描いてください。今日の作品を手本にして。
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2018年04月01日
「おっきーのラジドラ学園」放送終了
番組は平成30年3月をもって終了となりました。
「おっきーのラジドラ学園」は平成17年10月にスタートしました。
そしておよそ630篇の、高校生が制作したラジオドラマやドキュメンタリーを放送してきました。13年近く、ラジオ番組についてみんなで勉強してきました。
リスナーのみなさん、永い間、ご苦労様でした。
日本放送作家協会九州支部 香月隆13年間、高校生のラジオ番組を聴いてきました。
みなさん、本当にラジオ番組づくりが達者になったと思います。
放送はおわりますが、私はこれからも高校生のラジオドラマやドキュメンタリーに関心をよせていきたいと思います。
ラジオ番組づくりについて、ご相談があったらいつでもメールをください。
メールの宛先は:katsuki01@gmail.com です。
ではみなさん、ごきげんよう!
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講師は全員、実績ある日本放送作家協会の会員です。
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